2013年9月30日月曜日

研究資金量と成果の関係

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研究資金は科学研究を遂行するためには必要不可欠です。

その多寡と研究成果にはある程度の相関関係があるでしょう。

ただ、研究費をぶち込めば、研究成果が出ると考えるのは間違っているのです。

これは相関関係を因果関係と取り違えることからくる誤りです。

研究テーマが時流に乗ったから、研究費が流れてきたというケースはだいたい失敗します。研究員やテクニシャンの数を増やしたからといって研究成果は増えません。

この単純な事実は意外と理解されません。投資額を増やしたらリターンも増えるだろうという投資というものをわかっていない人々の誤解はたちがわるいのです。

iPS細胞関連の研究は現在バブルでしょう。猫も杓子も、興味がなくてもiPSと研究計画書に書くと研究費が通りやすくなる可能性が高いでしょう。

トップダウン研究の難しさはここにあります。まず、額を決めてしまいます。政治プロセスとはそういうものなので仕方がないかもしれませんが、必要額ではなく、大風呂敷で適当な額が決まります。それにあわせて研究組織が構想されるわけです。

穫った予算は使わなければなりません。
こうして、必要のない機器、必要のない研究員が雇われます。そして、ここに、大規模化に伴う無用の混乱が生じ、組織はきしみ始めるのです。


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