2014年4月3日木曜日

死にかけた細胞からのOCT4の発現はよく知られていること

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死にかけた細胞からのOCT4が発現することは実は
昔から、結構知られていることです。

死にかけ(死んだ)細胞ではクロマチンもゆるゆるになり、
本来発現されるべきでない蛋白質が発現されるようです。
(ちょうどセルフリーシステムのような感じ)


遺伝子の発現(DNA→mRNA→蛋白質)は厳密に制御されており、
普通OCT4は分化しきった細胞では発現しません。

遺伝子はどの細胞でも同じですが、その発現パターンが異なるのでいろいろな細胞ができます(これがエピジェネティクス)。

ただし、大きな外乱が加えられた時(例えば大きな物理刺激、酸刺激もそうでしょう)、この発現制御機構がぶっ壊れることはあるでしょう。

当初、多くの科学者が半信半疑ながらSTAP細胞を信じたのは、ぶっ壊れたらいろんな遺伝子が発現しうるわなと感じたからでしょう。

しかも、TCRの再構成を保持したキメラマウスの作成ができるという決定的な証拠があったわけです。

これが確認されてはじめてSTAP現象があるということになるでしょう。
つまり、当初の論文は(もし本当だったなら
素晴らしい立証が行われていたということです。

しかし、残念ながら、この証拠が崩壊したわけです。

だから、単にOCT4が発現していることが、
リプログラミングが起きているという解釈にはつながりません。
強烈な外乱を与えたときにOCT4の発現があったとしても何ら不思議ではないのです。

STAP現象を主張するためには、TCRの再構成を保持したキメラマウスの作成などの強力な証拠が必要です。

それなしに、STAP現象を信じるかどうかはオカルトですから、
何とも言えません。
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