2012年11月15日木曜日
井原西鶴 日本永代蔵
最近気になる言葉を集めてみている。
始末(倹約)十両、儲け百両、見切り千両、無欲萬両
すきな言葉である。
現代社会に置き換えてみると
始末 10両 サラリーマン 倹約しないと貯金は増えません。
儲け100両 これは企業経営者、もうけるのがうまいと一財産
見切り1000両 これは投資家ですね。ウォーレンバフェットみたいに何兆円も資産を築ける
無欲万両 スティーブジョブズかな。彼は後のほうは金銭的欲で製品を作っていませんでした。宇宙に衝撃を与えるんだと。
2012年11月13日火曜日
Natureやりとりまとめ
Nature に投稿してアクセプトされる。
まあこれは夢見たいな話ですが、
研究者になったからには一度は経験していみたいことです。
実際にアクセプトされるといろんな事がうまく回り始めます(少なくとも研究者のキャリアはね)。
では、Natureに投稿してアクセプトされるまでをちょっと書いてみましょう。
(PNASやりとりまとめがよく見られているようなので調子にのってNature編を書いてみました。)
Natureという雑誌は特別視されがちですが、
実際はその辺の雑誌とほとんど変わりません。
少なくともPNASの方が形式的にはいろいろとめんどくさいです。
ただし、Natureの場合、査読者が大変めんどくさくなります。普段つっこまれないような点を突っ込んだりしてきます。
論文を書き上げて、美しい図を作ってJPEGにして。。。
(Figure 1 何々 et al., 2012 と図の下に書いてJPEGにします。)
投稿のサイトに行ってwordの文章と図のファイルをちまちまとアップロードします。
Cover letter を気合いをいれて書きましょう。
案外エディターはそれしか読んでいません。
アップロードするとサイトが勝手に一つのファイルにマージしてくれます。
(ほんとに普通の雑誌と変わらないんだから!)
投稿したら、普通に確認のメールが来ます。サイエンス誌と違い、全ての著者に確認のメールは行きません(2011年現在、その後は投稿していないので知りません)。
一週間ぐらい音沙汰がありません。
(これは良い兆候です。とりあえず、エディター達のミーティングには回っていると思われます。)
エディターはそれぞれ専門分野があって、送られてくる段階で自分で最初のフィルターにかけます。これに通らないと、論文は投稿してから2日ぐらいでリジェクトされます。
ほんとに冷たいメールが帰ってきます。
こんなときは素直に他の雑誌に再投稿したほうが良いかもしれません。
このフィルターを無事すり抜けた優秀な原稿はエディター達のミーティングにまわってチーフエディターみたいな人がレビューにまわすかどうか決定するようです。
だから、1週間ぐらい音沙汰がないとレビューにまわされた可能性が高いのです。
レビューに回ったらエディターからそのお知らせはあります。
ちなみに、疑問に思った事はどんどんエディターに丁寧に聞きましょう。
彼らはちゃんと答えてくれます。
決して嫌われたりはしません。(それでリジェクトされたりはしません。)
彼らは忙しいので無視されることはあります。
そのときはちょっと時間をおいてメールしてみましょう。
Nature になると非常に政治的で、レビュワーはわざとゆっくりとレビューを行ったりもします。
その間に自分たちの成果を他のところに投稿したりもします。
私は実際に一回目のレビューが帰ってくるのに2ヶ月もかかりました(涙)。
(Natureって速報誌といっているのにどういうことなんだよ〜)
アクセプトされるまでに約9ヶ月。
結構やきもきします。(Natureって速報誌なんだよな。)
手違いかどうか、危うく最後のレビュー(3回目)に回った日付をsubmitted の日付として出版されるところでした。これだと3ヶ月でアクセプトされたことになります。
3人のレビュワーから厳しいコメントをいただきましたが、あまり悲観的にならずにひとつひとつ丁寧に返答していきました。
レビュワーも人の子です。すごいものはすごいと理解してくれます。
一人でもかたくなに載せられないといわれると普通はアクセプトされません。
ある意味、変な世界です。(レビュワーが間違っているかもしれないのにね)
ほんとにおかしな事を言っていると確信したらちゃんと抗議しましょう。
2012年11月7日水曜日
PubMedの超簡単使い方
科学報道は本当に難しい。
科学報道の難しさはよくわかります。
科学の世界では得られた成果を国際ジャーナル(NatureやScienceみたいな)に発表するために編集部に原稿を投稿します。
編集部はおもしろそうだなと思ったらこれをレフリーと呼ばれる専門家に送って評価をしてもらいます。
たまにこりゃおかしいだろという論文がレフリーをすり抜けてアクセプトされたりする光景を何度か見てきました。
思うに、専門家ですら最先端の研究成果を評価することは結構難しかったりします。
また、ちょとだけ専門からずれていたりするととたんに難しくなったりもします。
人間社会ですからレフリー自体が微妙な人だったりもします。
(研究成果がすばらしいのではなく、他人のふんどしで成果を上げてきた人を何人も知っています)
結局その成果がすごかったかどうかは後世のひとがそれをどう評価して自分の論文で引用するかをみるのが一番です。
最近ではGoogle schalor で簡単に引用件数を調べることが出来るようになっているので(昔は引用件数を調べるのに特殊なデータベースにアクセスできなければなりませんでした。)、ちょっとそれを見て判断するのが一番です。あやしかったり、クオリティーの低い論文はびっくりするほど引用されていません。
2012年11月5日月曜日
科学報道の限界
森口尚史さんのiPS細胞の世界初の臨床応用が捏造だったとマスコミを賑わせてちょっとたちました。Nature誌が日本の科学ジャーナリズムが”終わってる”と誌面で取り上げてネット上で話題になっています。現場の科学者をやっていると、何でこんな事が起こるのかよくわかるのです。
まずプレス発表の概略。
論文がいい雑誌にアクセプトされるとプレス発表を行います。内容を簡単にA4一枚ぐらいに書いて、大学のcheckをうけてプレスに投げます。すると、2,3社からコンタクトがあってそれぞれ2,3時間記者のひとと研究について話します。いつも感じるのはこりゃだめだということです。記者のひとは文系の人が多くて理系でも修士卒です。博士号をもっているから研究がわかるとは全く思っていませんが、日本の新聞社の科学部のやる気はそんなものでしょう。
やはり、きちんと素人の読者に伝えるためには新聞社の記者もその研究を完璧に理解して咀嚼して記事を書く必要があるでしょう。
どれだけの科学部記者が多岐にわたる分野の科学を理解しているでしょう。記者さんは少なくとも毎号でるNatureやScienceを全部読みこなして(輪読でもする?)、研究者と渡り合えるぐらいのプロ意識が必要なのでしょう。
2012年8月27日月曜日
成果をあげるということ
Halcyon Molecular はやっぱりだめだった!?
http://www.bio-itworld.com/els/08/20/12/Halcyon-Molecular-quietly-shuts-down.html
記事によるとHalcyon Molecularが資金ショートで操業をやめたらしい。やっぱり電顕でDNAシーケンスをするのは難しいのだろうか。
2012年8月26日日曜日
弱い日本の強い円
弱い日本の強い円を読んだ。
実際に為替ディーラーをやっている筆者から見ると世の中の円高の認識はずいぶんおかしく見えると。
日本経済が弱いのになぜ円安にならないのか。
円高をとめるためには為替介入が必要だ。
そんな意見はでたらめであると筆者は切る。
日本の経常収支が黒字である間は(特に貿易黒字)、淡々と円は外貨を稼いだ日本企業に買われる。日本企業は日本人社員に給料を払う必要があるし、配当を払う必要もある。
このフローは常に円を買う方向に働いている。
特別な理由がなければ、円は常に買われる存在なのである。
また、長期的に見ても、インフレ率の違いから円は買われるのである。
デフレの国”日本”の通貨は価値がどんどんあがり続けている一方で、インフレの国”アメリカ”の通貨の価値は下がっている。結局、長期的に見ればその差は是正されるわけである。
うーん、結局円高は当面とまりそうに無いという事か。
ただ、最近7月の貿易統計では5174億円の赤字らしい。ということはフローは円安気味に流れ始めている。ただ、アメリカの2012年のインフレ率は2.10%、日本の2012年のインフレ率は0.00%とされているのでインフレ率の差はまだあるわけで、なかなか円安ということにはなりそうにない。
2012年7月31日火曜日
google リーダーでpubmedの検索結果を自動で更新取得
2012年6月4日月曜日
all or something
2012年5月23日水曜日
Google scholar citation: 自分の業績を数値化してみる。
グーグルのアカウントを持っていれば、
http://scholar.google.com/citations
にアクセスして、
自分のペーパーを検索してリスト化すると、
自分のプロフィールを作成できます。
しかも!!
論文ごとの引用数、年度ごとの引用数などが自動的に作成
されます。
また、そうやって作ったプロフィールを公開するか非公開に
しておくかは自分で決められます。
ひとりで自分の業績を管理するのにも使えます。
海外の研究者ではこれを自分のホームページからリンク
しているひともいます。
どの雑誌に載ったかだけでなく、
その人の代表論文はどれくらい引用されている
かも一目瞭然であり、業績リストとして
はさらに付加価値があると思います。
一度お試しあれ!
2012年5月1日火曜日
走ることについて語るときに僕の語ること 村上春樹
村上春樹の本はノルウェーの森以来だ。
それもよからぬ好奇心から読んだだけだ。
走ることについて語るときに僕の語ること
を読んだのは、最近僕もジョギングにはまっているからだ。
気づいたのだが、ジョギングは座禅や瞑想に近い。頭の中をリフレッシュしてくれる。現代人はますます多くのストレス源にさらされている。
だから今ジョギングが受けるのだろう。
ジョギングをするとたいていの事はどうでもよくなる。
だいたい、頭を悩ましている問題を俯瞰的に客観的に見ることができるようになる。
そういつだって、最大の問題は自分自身なのだから。
一見解決不可能そうに思えても、ピンチはチャンスだし、
チャンスはピンチなのだ。
村上春樹は内省的(introspective)人間なのだろう。
きっと置いておくと勝手に脳が悩んでしまうのだろう。
そうジョギングは自滅しちゃいけないよと教えてくれる。
走ることについて語るときに僕の語ること
2012年4月29日日曜日
ノマド的科学者生活
最近、会社に縛られないライフスタイルが注目らしい。
科学者の生活って昔からそうだろう。
おおむね成功している研究室では、人を拘束しない。
何時に来ても、来なくても、
成果をだせばだれも文句を言わない。
こんな素晴らしく自由なライフスタイルを普通の人は恐れているらしい。
まあ自由とは空恐ろしいものだから。
あまり知られていないようだが、良心的な大学院の研究室など、
研究員を本当に自由にしてくれる。
私自身、何時に出勤せよと言われた事等無い。
給与も500~600万でこれだけ自由なんだから特に不満もない。
将来が保証されていないというが、
将来は勝ち取るものだと思うのでメンタル的にも支障はない。
自分の興味のあることを集中して取り組んでいるんだから
不思議と疲労感もない。(徒労感はたまにあるけど)
そもそもノマド的ライフスタイルなんだから、
これに挑戦するのもなかなかオツである。
2012年4月24日火曜日
いい仕事をするということ
2012年4月23日月曜日
自分の中に毒を持て 岡本太郎
最近、読んだ本。
自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか (青春文庫) 岡本太郎がいかに常識から飛び出るかを熱く語った本である。
人と違うキャリアパスを選ぶことは過去の日本では今より大変だった。
そんな時代にひとに好かれない絵を描き、時代に挑戦し続ける。
みんなどうしても、安全な道の方を採りたがるものだけれど、
それがだめなんだ。
人間、自分を大切にして、安全を望むんだったら、何も出来なくなってしまう。
計算づくでない人生を体験することだ。
2012年4月20日金曜日
大学院・研究者を目指す人へ
大学院生への「ささやかな」アドバイス
↑
Stephen C. Stearns博士が1987年に書いたエッセイ。
読んでみて改めて、科学者になる方法というのは昔も今もかわっていないのだと思う。
最も重要なことは自分で”考える”ということだ。自分で考える、自分がその通りだと思うようにする。
直感を信じるということだ。あたりを見渡してみて成功している研究者は、人の言う事を鵜呑みにするのが嫌いだ。自分のメジャーでものを測る。
逆に、どうしようもない大学院生は授業や講義好きだったりする。そんなもん何の役にも立たないのに。
妙にノウハウばかりを知りたがる。
結局それではうまく行かないのに。
自分で考える。これはこれからの時代を生きるひとのキーワード。
2012年4月13日金曜日
ねつ造は文化か??
金正恩・ロケット・日本政府
2012年2月10日金曜日
Khan Academy
Googleの最初の社員クレイグ・シルバースタイン氏が同社を退社してKhan Academy入りする。というわけで、Khan Academyがなんなのかググってみたのだが。。。
無料のオンライン教育サービス http://www.khanacademy.org/
すごい。
ほんとiTunes U や大学独自の授業の公開など、今や、学ぶ気さえあれば世界中どこでも学べるんだなー。
大学の存在意義って劇的に変わりつつある。
2012年1月22日日曜日
中世のペストは現代のペストと何が違うのか
ペストは中世ヨーロッパで黒死病として恐れられ猛威をふるいました。
ヨーロッパの全人口の半分がやられ死んだとも伝えられています。
黒死病で死んだ人々の遺骸はまとめて様々な場所に埋められているため彼らの骨や歯からその当時ペスト菌のDNA断片を取り出す事ができます。
最近急速に進歩しているリバースジェネティクスを使う事で(スペイン風邪のインフルエザウィルスの再現は記憶に新しいですね)当時のペスト菌を調べたところ。ほとんど現代のペスト菌と変わらないとの事です。ではなにが当時と今とではちがうのでしょうか?
ペスト菌自体は当時とほとんど変わっていないようです。
ただ、衛生環境が大幅に良くなったという事らしいです。
なんか面白いですね、衛生環境が良くなると以前は脅威だったペスト菌の大量感染がなくなるとは。(媒介者はネズミおよび付着するノミだったようで、現在ではネズミをみかけることはほとんどありませんから当然なのでしょうが)
もちろん、免疫的にペストに弱い人々が淘汰されたことも原因です。
良く言われることは、病原菌・ウィルスが理由で人類が滅亡することはないと、人類の多様性はそういった感染症を乗り越えることができるということです。
HIVすら、耐性を持つ人々がいます。
The Black Death pandemic swept across Europe in the mid-14th century killing about half the population. It was caused by a bacterium called Yersinia pestis. This strain of bacteria is still around today, but intriguingly it causes far fewer deaths. To find out why, researchers reconstructed a medieval Yersinia pestis genome -- and compared it to the genomes of contemporary strains. The team, led by German scientist Johannes Krause, made use of recent technological advances in DNA recovery and analysis to examine DNA from the skeletons of four individuals buried in East Smithfield in London, a well-known medieval burial site for victims of the Black Death.
2012年1月21日土曜日
円城塔のポスドクからポストポスドクへ
芥川賞をとった円城塔のエッセイが話題になっています。
日本物理学会誌に2008年にのったポスドク問題についての彼の所見です。
さすが小説家だけあって文章、構成が非常に見事であり、心にずしりと響きます。
アカデミアの世界は間違いなくシビアな世界です。
任期はあるし、業績をあげなければならないプレシャーもあります。
雇われているという感覚を捨てるべきで、自分は個人事業主であると考えている必要があります。つまり、そもそも将来の保証なんかだれもしていないわけで。
しかし、多くの研究者は大学院まで学生としてぬくぬくとして生きてきて、いきなり、こんなシビアな世界に出されるわけですから、大変な目に遭う訳です。
という訳で、こんだけアカデミアはシビアな世界だと喧伝されるほうが将来的には、アカデミアにとってはいいのでしょう。(覚悟をした人だけがあつまってきますから)
これくらいたくましくなきゃ(別記事 Bad project に飛びます)
アカデミアでの学生/ポスドクのつらさは世界共通です。
日本で問題なのはキャリアの固定化であり、いったんその道に入ってしまうと転職が非常に難しい事です。USではポスドクで自分に才能がないとわかったひとは転職していきます。Natureなどのジャーナルのエディターはポスドク崩れが多いですもんね。
サイエンスの才能の無いやつに俺たちの運命は握られてると
超有名サイエンティストがいっていました。
円城塔の芥川賞受賞作
2012年1月18日水曜日
EndNoteの超簡単使い方
Endnoteの使い方を超簡単にまとめてみる(まだ作成途中だが随時更新していく予定)。
使っている EndNoteはX5(Mac) であるのであしからず。
まず、ONLINE SEARCH のPubMedで目的の論文を検索。
Authorのフィールドには Steinman, R.M. といった感じで入れる。
2名以上のときはAuthorのフィールドに二名書くのではなく、フィールドを+ボタンで増やしてそこにもう一人の名前を入れる。
目的の論文が見つかったらそれをEndNote上で選択して
その後、ワードに行き、リファレンスを挿入するべき場所で挿入ボタンを押す。
雑誌を変更したときは再フォーマットボタンを押せば、論文全体にわたって再構築してくれる。
2012年1月14日土曜日
heterologous expression system
Heterologous Expression systems are tools to find out whether a particular gene produces mRNA and/or protein and whether the protein produced is functional or defective. In these systems, we use the expression vectors in which cDNA of the gene of interest is clonned along with suitable promoter. When this gene is expressed through transcription by the formation of mRNA, then the resultant protein is formed by translation of mRNA.
大腸菌やバキュロなど普通の発現系のことね。つまり、人の遺伝子を人で発現させる系はhomologous expression system. その遺伝子を大腸菌や昆虫細胞などで発現させる系はheterologous expression system ってこと。heterologousっていうからなんか特別なものかと思ったのになぁというひとのために。
2012年1月9日月曜日
生命科学とプログラミングの親和性
数学や物理学などではコンピュータ科学が必須になって久しい。
それは、数式化することができる分野でのコンピュータの威力がすさまじいことにつきる。
一方で、生物学や生命科学ではコンピュータサイエンスが未だに有用にはっきりと使われているわけではない。
これは生命科学が定量性を欠いているからである。
逆に言うと、コンピュータが生命科学のような定性的な存在を扱うことができないからでもある。
しかし、これから生命科学をめざすなら、どの分野でもプログラミングができることがである。ちょっとしたことを自分で解決できる程度の能力でいいかから身につけておくべきである。
自分でプログラミングして問題を解決できるかどうかで、扱える領域が極端に変わる。
世界が異なって見えることだろう。
おすすめは "Python" (パイソン)というプログラム言語、科学の分野でよく使われているし、学ぶのが簡単だ。
食わず嫌いはよして、一度ウェットラボから飛び出してプログラミングしてみるのもいいと思う。
2012年1月6日金曜日
PNAS やりとりまとめ
PNAS ( Proceedings of the National Academy of Sciences)の論文投稿の流れをまとめておく。
PNASは出版を容易にするために、あらかじめページ数の制限や図の大きさなど色々な規定が厳しく存在します。
そこでまず、論文を書いたら、論文全体の長さをチェックする必要があります。
PNASウェブサイト内のCheck Manuscript Lengthというサイト
http://pnasdevps.msubmit.net/cgi-bin/main.plexで長さを計算してくれます。
本文のwordファイルや図のtifファイル、tableのwordファイルをアップロードして、図のカラム数を指定してやると適当にそれらを一つのpdfファイルにして6ページに収まるかどうかを教えてくれます。この自動長さ推定のためにwordの本文に "/body" を挿入しておく必要があります。
また、図のtifファイルにFigure 1 ( name et al.,) などと入れてはいけません。
また図は周りに余白のないぎりぎりの状態で作りましょう。出版時に関係ない文字や余白は論文の長さ推定に容赦なく取り込まれてしまいます。(その結果、本文を削らないといけない羽目になります。PNASでは文字と図とトータルで6ページに収まらないといけません。)
無事投稿できたら、受け取ったよというメールが著者全員に送られてきます。
そこから Check statusが Under Editorial Board Reviewになり一週間ぐらい経つとUnder Editor Reviewになります。
エディターからレビューに回したよというお知らせはありません。
Under Editor Review のまま二週間ぐらい経つとやっとReviewコメントが帰ってきます。
お知らせが一切ないですが、便りがないのは良い知らせということでレビューに回ったと喜んでおきましょう。でもこの間 ずっとUnder Editor Review なのでちょっと不安になりますが、Under Review にstatus を変えてくれよと思いますが。(これはエディター次第なのでしょうか?)
また、実際に誰がエディターとして取り扱っているのかもわかりません。
最後になって(アクセプトの段階で)、この人でしたとわかります。
レビューが帰ってきたらここからは普通の雑誌とあまり変わりません。
*"Natureやりとりまとめ" 書きました
2012年1月3日火曜日
HFSP(Human Frontier Science Program)ってどうなの?
前の記事で書いたが、超円高の今、HFSPフェローシップの存在価値ってほとんどない。英語でアプリケーションを書き外国勢との競争に勝ち、勝ち取ったフェローシップの年収がわずか360万円。この4.7万ドルはおそらくNIHの勧告に基づいた給与なのだろうが、これはNIHがこれよりポスドクの給料低くしないでねという基準である。ご存じの通り、アメリカのポスドクの給与は非常に低い、独立していない研究者の扱いは低いのである。そういったことを踏まえると、なぜ海外から日本に来るポスドクの給与が700万円近いのか憤懣ものである。
海外学振は申請書類は日本語だし、審査もHFSPほどではない。競争相手も日本人だけだから、競争もそれほどはげしくない。誰がHFSPに応募するんだろう??
海外ポスドクになる方法
海外ポスドクってどうなの?
どうやってなるの??
博士課程を無事に卒業したあと、海外で留学生活といきたいひとも多いと思います。
そんな時どんな選択肢があるでしょうか?
- 独自に行きたいラボのボスと交渉して給料を出してもらう。(そのボスがお金持ちだったらいい方法かも)
- 海外学振をとる。(2年間お国のお金で研究三昧)
- ほかのフェローシップをとる。(HFSP等)
2.競争率は高いですが、博士の時に業績があれば問題ありません。よいプロポーザルをかいてお金をとるだけです。超有名研究室でなければフェローシップをもったポスドクを断ることはまずありません。学術振興会から年520万円が2年間でます。今円高ですから悪くないかも。ただ、海外では無名すぎて、CV的にはあとあと役には立たないと思います。日本に帰ってきましょう(もしくはCNSにファーストオーサーだ!)。
3. HFSPなどのフェローシップをとる。HFSPはHuman Frontier Science Programの略で、基礎的な生命科学にお金をだしています(中曽根首相が創設に動いた)。国際機関なので一応世界的に名の知れたフェローシップです。海外学振のように海外では無名ということはありません。このフェローシップをとったポスドクは海外でもそれなりに評価されます。ただ、給与が現地通貨立てなので、例えば、2012年度はUSAでは初年度46800ドルです。現在一ドル77円ですから日本円にすると360万円です。1流フェローシップをとってこれだとちょっと悲しいかも(いや間違いなく悲しい)。円高だとHFSPでフェローシップとる人いなくなるんじゃないかな〜。かたや、海外から日本でポスドクをする人(外国人)には非常によくなっています。日本にくると初年度で650万円もらえます。最終年度は700万円。いまだったらアメリカで9万ドルですから。ポスドクでこれならいいですね。
でも、HFSPさんこれって何かおかしくないですか?
2012年1月2日月曜日
電気自動車について考えてみた
リスクの取り方
人の行く裏道に道あり花の山
という格言がある。
日本では、人と違う道をとることが非常に難しい。
科学者になるということは、”普通の人”とは異なるキャリアパスを通ることになる。
修士まで来た学生はそれに恐れおののいてなんとか就職しようとする。その結果博士課程に進むのはモチベーションのものすごく高い学生か、就職したくないから(できない?)まだいますという両極端になっている。
アカデミアで生き残るのはそんなに大変だろうか?
たぶん答えはNoである。
NatureやScienceを賑やかすような素晴らしいサイエンスをするのは大変である。しかし、日本のように閉じたアカデミアで生き残ることはそんなに難しくないと思う。まわりの教授や准教授の人たちを見渡してみて、将来の自分が乗り越えられないと思うか冷静に考えてみるとよいかもしれない。だからそんなツマラナイことに汲々とせず、難しいことに挑戦するべきなのである。
結局、任期制では将来が不安、これからどうなるのだろう、とかいった恐怖心がつまらないほうに舵をきらせる。
ではどうしたらこの”一見”リスクだらけのアカデミアでそういった恐怖への耐性を獲得出来るだろう。
それは場数を踏んでリスクに慣れることである。どんどんリスクに挑戦してリスクをとって、それに慣れて、あとはリスクの取り方を研究するだけである。これが出来れば怖いものはなくなる。
ウォーレン・バッフェット(Warren Buffett)の話
オマハの賢人と呼ばれるウォーレン・バフェットは世界有数の投資家であり大富豪です。 投資家でありながらウォールストリートから遠くはなれたネバラスカ州オマハに住んでいます。
(オマハの位置、北アメリカ大陸の真ん中ら辺なのですね)
こうすることで金融街の熱狂から一定の距離を置き冷静に自分の考えで判断を下せることが重要だと以下の本で述べています。 バフェットは自分の考えに基づいて奇をてらわない全うな長期投資で40年間で82万パーセントの実績を残しています。 例えば12歳の小学生の頃、お年玉1万円をバフェットに預けると、その人は52歳で8200万円ぐらいの資産を持っていることになります。
膨大な読書と分析によりバフェットは自分が正しいと考えたことを迷うこと無く実行に移す。 印象的だったのが、ペトロチャイナへの5億ドルの投資であるが、年次報告書を読んだだけで(他に何をするわけでもなく)決断しポンと投資した。そして5年後に40億ドルで売っている。いわく、明らかにペトロチャイナは過小評価されていた。それだけである。
投資って市場が総悲観の時に買い、熱狂的に盛り上がっている時に売ればいいのですが、これがとても難しいのでしょう。それができればね〜
研究者も時に大きなリスクをとらなければならないリスクテイカーです。 バフェットのような賢明な投資家から学ぶことは大です。
登録:
投稿
(
Atom
)